あんスタの魅力とは
自分があんスタのどんなところに魅力を感じているのか、改めて考えてみました。
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様々なレベルでの対比を重ねて世界観を描いている点
まずはじめに、様々なレベルでの対比を重ねて世界観を描いている点。
あんスタには様々な対比が描かれています。
メインストーリーでは、一言で言うとfineが悪、Trickstarが正義、というような対立構造が描かれています。
ユニット単位で言えば、TrickstarとSwitchもまた相対する存在として描かれています。
キャラクター単位でも多様な対比が展開されており、朔間凛月と衣更真緒の幼馴染コンビにおいて凛月が「月」、真緒が「太陽」として描かれているのもひとつの対比です。
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比喩が豊富でイマジネーションに富んでいる点
次に、比喩が豊富でイマジネーションに富んでいる点です。
あんスタは基本的にすべてのものを星座に例えています。
宇宙の塵でしかない星が集まり形を描くことで「星座」として認識され、広い夜空の中で名前をもらって輝くことができる。
これはもちろん世間と人間とアイドルグループの比喩ですよね。
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ハッピーエンドを超えて、それでも続く人生を見据えている点
最後に、ハッピーエンドを超えて、それでも続く人生を見据えている点です。
夢ノ咲学院のアイドルたち、少なくとも名前を与えられているキャラクター達にとって、この一年間は紛れもなくすばらしい「思い出」となる一年間でしょう。
物語というものは、始まりがあって終わりがあります。
あんスタは基本的にはあんずが転校してきてからの一年間を描いていますが、あんスタはこの一年の後のことにも多々言及しています。
あんスタの物語的に最大の山場である「SS」における真の「SSで人生が終わるわけじゃない」という台詞や、アイドル養成校である夢ノ咲卒業後の進路がアイドルのみにとどまらず多岐に渡っているという点、また、元トップアイドルが教師として夢の先にいるという点を鑑みても、日日日さんが「その後の人生」というものを意識していないことはありえないでしょう。
あんスタの物語のなかで「SS」は最高峰の舞台であり、メインストーリーではその舞台に立つたった一つの権利をめぐって争います。
しかしSSには他の数多のアイドルも出場し、夢ノ咲は数あるアイドル育成校のひとつでしかなく、学院を卒業するとその先には芸能界が広がっていて、また芸能界を引退しても各々の人生は続いてゆきます。
今後、今以上にアイドルとして大きく活躍してゆくキャラクターもいるでしょうし、なずなやレオなど、卒業後はアイドルとしてやってゆくのか分からないキャラクターもいます。
しかし、その誰もにとってこの一年間は「アイドルである」以前に「アイドルになった」一年間であったはずです。
主人公が勝利して「はいハッピーエンド」というわけでなく、キャラクターそれぞれの人生を、そしてその人生の中での輝かしい一時期としての一年間を描いている、という点があんスタの大きな魅力だと感じています。